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「共販」という質屋業界が作ったディスカウントショップが中央区南1条西9丁目にあります(例会をしている中央区民センターからほど近いところです。)。これまでも中古カメラや中古双眼鏡を購入したことがあります。中古双眼鏡の出物としては、ビクセン7x50
CF(廉価版)が5,000円、ケンコー7x35 CF(超広角)が3,000円などがありました。 今回は10月例会の直前に立ち寄った際に、HORIZONというブランドで7x50 CFの双眼鏡が3,800円でおかれていました。いわゆるノーブランドのディスカウント品です。それでも新品なので、いちおうチェックだけはしてみました。手に取ってみるとBaK4プリズム使用と表示してあります。覗いてみると視界は通常のケルナーのようで、50度を少し下回るような感じを受けました。向かいのビルなどを見ると歪曲収差がほとんどなく、結構クリアーなイメージです。これは買いだ!と思い、購入しました。 この双眼鏡を入手した目的は、単眼鏡に分解して観測所のマックカセのファインダーとして使おうと思ったからです。ファインダーとしては正立のものが使いやすいのですが、商品としての照明付きの正立ファインダーはけっこう高価です。例えばアストロ光学の製品では、暗視野照明付きとはいえ、7x50が30,000円、9x63が43,000円、14x80が56,000円となっています(「'99年版望遠鏡・双眼鏡カタログ」より)。ディスカウント双眼鏡ならたいていは10,000円以下で売っていますから、単眼鏡1本が5,000円以下で入手できることになります。ちなみに14x80程度の双眼鏡ならば30,000円程度で市販されていますので、そのメリットは大きいと思います。 さっそく帰宅して2本の単眼鏡に分解を始めました。双眼鏡は中心軸の上下をネジで留めているだけですので、すぐにできると思ったのが間違いでした。軸の上側には目幅目盛り、留めネジ、焦点合わせリングがあって、これらは難なくはずれました。ところが、中心軸を貫通しているはずの、上側のフランジ付きのシャフトがはずれないのです。これは困った。 |
ところで、パソコン通信のニフティサーブには、天体望遠鏡フォーラムというのがあります。スペースフォーラムよりも、望遠鏡に関するマニアが集まっているフォーラムです。ここの何でも相談室という会議室にはかってみました。1週間ほど過ぎても、音沙汰ありません。さすがにこのフォーラムでも、こういったことをする人はいなかったようです。 けっきょく、大きめのプライヤーを買ってきて力ずくでやることにしました。アルミ製のフランジはキズだらけになりましたが、なんとかはずれました。原因はシャフトについていたグリースが渋かったためのようでした。すっぽりとはずれてしまうと、あっけない感じを受けたものです。 2本の単眼鏡ができましたが、中心軸をつなぐウイング(羽根)の部分は鏡体と一体の鋳物でできているようで、ばらした状態では邪魔ものとなります。これはいずれ削り落とすかどうかしたいと思っています。 さて、この単眼鏡による星の見え味はというと、視野の1/3は点像を保ちますが、その外側からは急激に崩れます。また視野に明るい星、月や木星などがあるとわりあいと明瞭なゴーストが目立ちます。視野のコントラストは、観測所に常置してあるハンザのブレッサー7x50
CFよりも落ちます。また、分解前の状態との比較では、単眼の方が双眼よりもコントラストが落ちる気がしています。これは感覚的な問題、望遠鏡用の双眼装置で見た方が良く見えるというのと同じかもしれません。 これからは接眼部に十字線をはることと、ファインダーとしての同架用のリングを手に入れる作業が残っています。このリングとしては、下水管として使われることの多い塩ビ管を買ってきて流用しようと思っているところです。うまくいきましたら、後日報告したいと思います。 *札幌天文同好会会報「PLEIADES」へ投稿した記事を引用 |