日本光学工業(現ニコン)

Nippon Kogaku (Nikon) 3/5


 最近、入手したものの、やむなく返品の仕儀となった、Novar(ノバー) 7x50を紹介する。オリジナルは戦前からの帝国海軍御用達の艦船見張り用双眼鏡であったが、戦後は民需用として販売された。

 この画像は戦後の製品で、Made in Occipied Japanの文字が刻印されている。コーティングは施されてはいない。

Nippon Kogaku (Nikon) has been manufacturing many binoculars for the Japanese armed forces and civilians.

Mikron was made in the '50s. This 6x30 model was manufactured around 5,000 models.

Tropical 7x50 was made for the sailors, mariners and fishermen. It is heavier than 7x50 CF model.

Novar 7x50

 革製ケースと共に正面から見たところ。  裏側から見たところ。ストラップはオリジナルと思われる。

 アイピース側から見たところ。  対物レンズ側から見たところ。セルの内側は特にねじ切りがされていない。MADE IN OCCUPIED JAPANの刻印あり。

 今見ても立派な革製ケース。しっかりとした作りだ。  ケースを下から見たところ。ストラップ(負い革)がケースの下を通っており、耐久性が要求される軍用では当たり前な構造。

Nikon 7x50 CFとの比較 Comparing with 7x50 CF

 戦後の日本光学の7x50の代表として1960年代の7x50 CFと比較してみる。これも本革製のケースに入っているものだが、構造や大きさなどが異なっている。

 対物筒はCFの方が長く、対物レンズの焦点距離が長くなったのかもしれない。接眼部はCFの方が太いが、アイレンズはノバーの方が大きい。接眼レンズ(ケルナー型)の設計が変わったのであろう。

 おもしろことに、プリズムケースはほぼ同じ大きさである。CFがノバーの直系の子孫であることで示唆している。

 全体には、ノバーの方がひとまわり小さい。ケースも同様である。

 前がノバー、後ろがCF

front side: 7x50 Novar, rear side: 7x50 CF

 日本光学マーク(いわゆる富士山マーク)の比較。

 上がノバー、下がCF。接眼部から見たところ。ノバーのアイレンズの方が直径が大きい。

upside: Novar, lowerside: CF

 

 左がCF、右がノバー。対物レンズ周辺の詳細。

left: CF, right: Novar

 上がノバー、下がCF。対物レンズ側から見たところ。ノバーはコーティングされていないが、この画像はまともに窓の光を反射している。

upside: Novar, lowerside: CF