3)私のCCDスタイル このコーナーでは、アマチュアの方々の身近なCCD画像の撮影例をあげて紹介されました。 「16 cm反射+冷却CCDによる惑星撮影と画像処理」 近藤弘之(東京都) 口径16 cmのニュートン式反射望遠鏡を使って、ポテンシャルを一杯までに引き出した惑星画像を紹介されました。惑星撮像に対しても、冷却CCDは有効なことをあらためて感じました。 「ビットランのカラーCCDカメラBJ-30Cの使用事例」 三田 明(埼玉県) 一つのヘッドでカラー画像が得られるカメラによる銀河の画像を紹介されました。わずか60秒露出でもかなりの写りを見せています。もっとも、三田さんはLRGB用のカラー画像を撮像されており、違うカメラ、望遠鏡で撮像した画像を合成しています。時間のない出張撮影では便利なやり方です。 「軽量システムによるCCD撮影の体験と展望」 元木基嗣(香川県) 最近、冷却CCDに魅せられた初心者ながらも、工夫を加えて素晴らしい画像を撮影されています。紹介された工夫の過程が、私を含む多くのCCD使用者にとってたいへん参考になったと思います。 「入門者のC8とST6によるスタイルなき画像撮影」 鈴木節雄(神奈川県) 岡野氏から譲られたST-6とセレストロンC8シュミカセを用いた撮像事例を紹介されました。 「私の撮影スタイル」 千村雄一(埼玉県) 詳細は以下のサイトをご覧下さい。 http://www.ksky.ne.jp/~chimura/can/canp2000.htm 「解像感を下げないS/N改善法: Nebula Smoother」 岡野邦彦(東京都) 星はシャープに、星雲は階調豊かにする画像処理の方法について説明されました。これによると口径わずか12.5 cmでもかなり良い画像になるとのことです。その手順は以下のとおりです(記憶違いの個所もあるかもしれません)。 ・「ステライメージ3」のスターシャープフィルターを使って星のない画像を作る この発表に対するコメントです。 「特設ベランダでのCCD観望と機材の改良:ピント合わせの際のいくつかの改善」 富田五郎(埼玉県)
お年にもかかわらず、工夫を怠らない姿勢は見習いたいものです。 4)講演「CCDカメラによる小惑星の掩蔽の観測」 佐藤 勲(国立天文台) 小惑星による掩蔽予報でおなじみの佐藤 勲先生により、CCDカメラを用いた掩蔽観測の方法と解析例をあげて説明されました。概要は以下のとおりです。 ・I.I.を持つ人は少ないが、CCDカメラを持っている人は多いので、美しい画像を撮るだけでなく、天体観測もしてほしい ![]() ![]() 5)講演「冷却CCDカメラCCDproとPLANETproシリーズについて」 笠原 誠(山梨県) 笠原氏は数年前から冷却CCDの自作を手がけておられますが、今回はその成果を発表されました。その概要です。 ・CCDproは、コダックのKAF-400E/LE、KAF-1602E/LEを使用したモノクロカメラ(価格は前者が\278,000、後者が\798,000) ・操作用のソフトも作成中である ・詳細は笠原さんのホームページをご覧下さい。 http://plaza.harmonix.ne.jp/~kasahara/ |
6)メーカーデモ(SBIG) マイク・バーバー(SBIG副社長)、ベリー・グーリー(国際光器) ![]() 冷却CCDカメラ市場のリーダーで、米国カリフォルニア州サンタバーバラ市に本拠を有するSBIG (Santa Barbara Instrument Group)から副社長のマイク・バーバーさんが来日され、日本代理店の国際光器のベリー・グーリーさんがアテンドされました。バーバー氏の講演は英語なので、アストロアーツ「スカイウォッチャー」の編集員である須藤さんが通訳されました。 今回の目玉は「STV」という型式の冷却CCDビデオカメラの紹介でした。このカメラはオートガイダーの標準機ST-4に代わる製品で、画素数は少ないものの、冷却CCDを使用したビデオカメラです。仕様などは以下のとおりです(国際光器のパンフレットから引用)。 ・CCDチップ TI社製TC237(656 x 480 画素、6.9 mm x 4.6 mm) 米国内でも発表したばかりの新製品のようです。オートガイダーのみならず、画素数は少ないながらも各種の観測に使えそうです。デジタルデータなので、小惑星の掩蔽の観測では光度(輝度)変化も容易に解析できそうです。 なお、バーバー氏の英語はとても早い上に語尾がはっきりしないので、私には聞き取りにくかったのですが、須藤氏は的確に通訳されていました。ニューヨーク生まれとはいえ、感心することしきりでした。 ![]() ![]() 7)懇親会 全般にスケジュールが押してしまい、懇親会が始まったのは19時を過ぎてからでした。冨田弘一郎先生のご発声で乾杯し、およそ2時間にわたる宴が始まりました。皆さん、食欲旺盛でテーブルの上のオードブルはたちまちの内になくなってしまいました。 以下は私がお話しした主な方々です。 ・鈴木雅之さん ・佐藤 勲さん ・福島英雄さん ・岡野邦彦さん ・冨田弘一郎さん ・B.グーリーさん ・M.バーバーさん アメリカではCCDを使いこなしている人が多いですかと訊くと、そうでもないとのことでした。またSBIG社はビーチの近くにあり、サンタバーバラは良い街だと言っておられました。 ![]() |